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後追いの恐怖(2004.8.20)

データ予想をしていると、どうしても避けられない、一つの悩ましい問題に直面します。
それを私は「後追いの恐怖」と呼んでいます。

例として次の場合を考えてみましょう。

例:馬柱の中で△が一番多く付いている馬の単勝を買い続ける。というものです。
(別に何でも良いのです、ゆるぎない予想ならば)

この買い方に関して3種類の回収率が存在します。

A、真の回収率
この方法を無限回行った時の回収率。これは存在するが確定することは出来ず、推定するしかありません。

B、これまでのデータの回収率
これは確定できます(データ計算)。ただし、レースが終わるごとに変動します。

C、買うか買わないかの閾値の回収率。
Bのこれまでのデータの回収率により、買うか買わないかの判断を行うために基準値です。
この値より
Bが大きければ買い、小さければ見送りとします。

ここで一般的な人はBが50%では馬券は買わないでしょう(永久に)。
Bが80%ではどうだろう(多分買わない)
Bが120%ならどうだろう(多分買う)
Bが100%なら(・・・・・)

さて、ここでAの真の回収率が120%としましょう。
(実際は、絶対に求められませんが・・・)

そして、Cの閾値を変化させてみます。B(これまでの回収率)がCの閾値を超えた場合は馬券を買い、
超えていないときは馬券を買わないということにしてみます。

 Cの閾値が0%(つまり全部買う)なら、買った馬券の回収率は120%になります。

しかしCの閾値の値を下記左のように変化させると、買った馬券の回収率の平均は下記右のようになってしまいます。
(詳細は割愛しますが、コンピュータを用いたシミュレーション結果です。ただし、これは平均値で実際はかなりばらつきがあります)

閾値       回収率

80          121

90          120

100        118

110        113

120        104

130        91

閾値が高くなるほうが回収率は下がります。
このことは、少し考えてみれば判ります。
 120%しか回収率が無いのに過去の実績で130%になったにだけ、
馬券を購入すれば回収率は
120%に届くわけがありません。

更にAの真の回収率が110%とすると次のようになります

閾値       回収率

80          110

90          109

100        107

110        101

120        79

130        78

つまり、Aの真の回収率より高いCの閾値を設定すると、Aの真の回収率がプラス収支にも関わらず、
実際に買った馬券の収支はマイナスになってしまうことが多いのです。

 ではCは小さければ小さいほど良いかというと・・・・・??

Cの閾値を100%以下に設定する人は無いでしょう。
(過去の成績で回収率100%以下を買い方を選ぶ根拠が無い)

ならばCの閾値を100にすれば何でも良いかというとそうでもありません。

たとえばAの真の回収率が80%の場合(競馬の回収率から考慮すると、この辺が一番多いはずです)、Cの閾値を100にすると実際に買えた馬券(B(過去の累計成績)が100%越えた時のみ馬券をかう)の回収率は、

50

真の回収率が90%のときは

68

真の回収率が100%のときでも

89

と惨憺たる成績になってしまいます。

Aの真の回収率が判れば良いのですが、これを確定することは出来ません。
しかし、データ数が増えれば増えるほどB(これまでのデータの回収率)は、
Aの真の回収率に近づいていきます。

 つまりB120%の買い方は、買い続けたほうが良いのですが、場合によって外れが続くとB120%以下になるときがあります。この時に買うのを辞めるとA(真の回収率)が120Cが(閾値)120の場合と同じになってしまい、損です。そこでB(過去の回収率)がある程度の量のデータのもと、120を越えるようなら、その条件は買い続け、B(過去の回収率)が120を割り込んでも、100以上なら我慢して買い続けたほうが、良い結果が得られると考えられます。

 同等の考え方をすると、あるレースの中で最もB(過去の回収率)が良い馬を買い続けるというのは、
少し問題がある買い方ではないでしょうか?

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