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予想の仕方:アイレックスさん(2010.4.14)

 掲示板にアイレックスさんより投稿いただいた内容は、とても有意義だと思いますので
原文のまま、掲載させていただきした。

競馬予想に関わるほとんどの方が、4角での位置取りを『何番手』としています。私は以前から、正確にデータを取る為には、頭数別の『何番手』とするべきだと考えていました。

4角で4番手のとき、18頭立てなら逃げに近い先行の位置取りですが、
8頭立てなら中段です。

そこで私は、4角での位置取りをポイントで判断する事にしました。

16頭立てのレースで、4角で4番手なら、

4÷16=0・25

12頭立て、4角で7番手なら、

7÷12=0・58

4角の位置取り(番手)を頭数で割ってポイントとします。小数点以下3位は切り捨てとしました。

0に近い数値なら前、1・0に近い時は後ろです。0・5なら中段、0・1あたりならほぼ逃げと考えれば、解りやすいと思います。

これなら4角でどの位置にいたのかが、ほぼ正確に表示出来るのではないでしょうか。

長く展開した場合とダンゴ状態では微妙に異なりますが、ポイント計算なら、全体の中での位置取りが頭数に関係なく理解しやすいし、データを取る上で、ポイントを区切って整理しやすいと思います。

どのポイントで区切るかが問題ですが、私は全体を3等分して、0〜0・33を『先行』、0・34〜0・66を『差し』、0・67〜1・0を『追込』とし、更に『先行』のうち、0〜0・22ポイントの馬の中で、0に近い2頭を『逃げ』と定義しています。0・22ポイント以内で『逃げ』以外は『先行』とします。

単騎『逃げ』なら1頭、『逃げ』マークの馬を入れても2頭までとしています。

全体を4等分して、0〜0・25を『先行』、026〜0・5を『差し』、0・51〜0・75を『追込』、0・76〜1・0を『後方』としても構いません。

4角で先頭(1番手)なら、9頭立て以上は0・11以下の数値になります。4角で2番手なら、18頭立てでは0・11、9頭立てなら0・22となります。

また、5〜8頭立てのレースは考慮していません。

この『4角の位置取りの指数化』を考案したのは、出走馬の前3走の4角ポイントを平均して、展開予想に結び付けることも可能ではないかと考えたからです。

そこで、この指数を『展開ポイント』と名付けて、各出走馬の前3走の展開ポイントを計算し、レースでの位置取りを予想して、いずれはコース別のデータがまとまれば、と考えています。

逃げが1〜2頭の時と3〜4頭の時(同ポイント含む)では、展開がかわります。ペース が早くなったり、前が残るか、差しが有利か、追込が届くか、ある程度の判断基準になるのではないでしょうか。
前回はポイントによる位置取りについて、3分割・4分割としましたが、

ある程度余裕を持って大まかに分析するなら3分割を、さらに詳しく分析するなら4分割をお勧めします。

私は3分割でグループを分けてから、

4分割を『逃げ』・『先行・『差し』・『追込』として、コース別あるいはレース別傾向に応じた脚質の中から単勝・馬連・3連複等の軸馬を決定します。

3分割→4分割という作業よりは、始めから4分割のほうが手っ取り早いのですが、分割ラインぎりぎりの馬を残すための作業です。同じ展開表に分割ラインを赤ペンで記入するだけの作業ですから、手間は掛かりません。

展開表には、0から1・0の横ラインを引いて、更に10等分してから、赤ペンで縦の分割ラインを加えます。3分割・4分割どちらでも構いません。

この展開表に、各馬の前3走の『展開ポイント』に従って、馬番を記入するだけで、オリジナルの展開パターンが完成します。

この時、展開表を0〜1・0ではなく、0〜出走頭数の横ラインを引いて、各馬の『展開ポイント』に、今走の出走頭数を掛けて、位置取りの予想値をポイントではなく何番手としても構いませんし、返って見易くなります。

展開ポイント0・88で今走18頭なら、0・88×18=15・84≒ 15番手と予想します。

展開ポイント0・21で今走16頭なら、0・21×16=3・36≒3番手と予想します。

4角の位置取りが出揃ったら、今走で有利な脚質の範囲内にある馬番の中から軸馬を選びます。

前3走データが揃わないオープン馬もいます。その時は前2走の4角位置の平均値でも構いません。

2才オープンなどは前走データしかない場合もありますが、あくまでも4角位置取り予想ですので、使えないことはないと思います。

展開予想には各馬の脚質や4角での位置取り予想が重要です。

競馬専門紙の展開予想よりも、実際のレースに即した展開予想が可能になります。

先頭が何ポイントの馬という方が、データ派としては解りやすいのと、その先頭馬を起点にどの辺りまでが入賞可能ラインかを想定して、カット出来そうな馬番を特定することも出来ます。

この『展開ポイント』だけで予想は完璧とは言いませんが、できたらこれにラップを分析した予想法を加えたいので、何かいいアイディアがあればご意見お寄せください。

4角での位置取り・その3では、展開予想を楽にする為の、確実にカット出来る馬について書きます。
先程の展開表や『展開ポイント』予想にも使える、確実にカット出来る馬の条件です。

皆さんもいろいろな条件を設定して、消せる馬を消してから、独自の予想をされているはずです。

私は、やはり前3走のデータを使用しています。

『前3走の人気合計が、35より大きい馬』

『前3走の着順合計が、30より大きい馬』

上記は確実にカット出来ます。

始めは、前3走が全て18頭立てとして、その際、人気が60%以内、着順が50%以内と設定しました。

前3走全てが18頭立てとして、合計54。

人気は60%以内ですから54×0・6=32・4=32

着順は50%以内ですから54×0・5=27

これだとぎりぎりのラインの馬もいますから、それぞれの数値を1割増として1・1を掛けて

人気は32×1・1=35・2≒35

着順は27×1・1=29・7≒30

としました。

余裕を持たせ過ぎたかなと思いますが、ぎりぎりラインの馬を残すことで、取り損ねることのないようにしました。

結果、実際のレースでは

人気32、着順27でも問題がない事が確認出来ましたが、交通事故の確率よりは飛行機事故の確率にしたことで、それこそ1年に1回、出るか出ないかわからない大穴馬券の可能性を探るよりも、確実に回収出来る馬券を求める方がいいと判断して、

『前3走人気合計35』 『前3走着順合計30』
にしました。

阪神牝馬Sでは5頭、春雷Sでは7頭をカットすることが出来ました。

勿論、カットしたくない馬がいるときは、無理してカットする必要はありません。これは皆さんのご判断にお任せします。

ちなみに、阪神牝馬Sの7番アイアムカミノマゴは前3走人気合計が32、春雷Sの3番サクラミモザは前3走着順合計が27でしたから、人気60%、着順50%には収まっています。それでもやはり余裕を持たせて正解だったと考えています。

『前3走人気合計35』 『前3走着順合計30』
は、どちらか片方だけが引っ掛かってもアウトです。

さすがに桜花賞では5番モトヒメだけ、NZTでも13番アグネスティンクルだけでしたが、オープン馬といっても色々な馬が出走してきますから、きっと皆さんのお役に立つと思います。

春雷Sでは、上位人気の2番サンダルフォンを含めて7頭カット出来たはずですから、予想には有利な条件です。

この他に、私は独自の能力ポイントも使用していますが、100を最高とする評価ポイント、能力指数、レイティングなどは、全て

『全馬の平均値マイナス10ポイント以下の馬』

は消せます。

最高値が100に満たない能力指数は、各数値を最高値で割れば、最高値の馬が100となりますから、全馬の平均値を求めて、マイナス10ポイント以下の馬をカット出来ます。

これは、上記の前3走人気合計・前3走着順合計と同じ考え方で、カットラインぎりぎりの馬を救済するための措置で、やはりある程度は余裕を持たせた方がいいと判断しました。

過去のレースで検証済みですから、もしも万が一入賞したとしても、その時は飛行機事故に遭う確率だと諦めてください。
このカットライン、或いは消去法は、一応オープンレースのために探し出しましたが、準オープン以下のレースにも使えます。

ただ、競馬新聞やスポーツ紙などの能力指数を使用するときは、普段使い慣れているもので、ある程度信頼性のあるものが良いようです。

馬のレース実績だけのレイティングだと、使えないものもあります。

データとしての実績があり、かつ実際のレースで検証済みの使える消去法は、まだまだたくさんあると思いますが、

『自信を持って消せる馬』

の情報をお持ちの方は、公開出来る範囲で結構ですが、お教え頂けると助かります。

私も時々忘れてしまう事がありますので、買ってから後悔してますが、他にも、

『単勝人気最下位の馬』

も買いません。

これは、先程の飛行機事故に遭うのと同じくらいの確率で来ません。

また、休養明けの馬についてはまだまだ検証が足りていませんが、6・5ケ月まではたまに入賞するので、7ケ月以上の休養明けの馬は、今の所消しています。

この、長期休養明けの馬については、最近のレースで詳しく検証しながら、次回カキコミします。
前々回にも書きましたが

前3走の、レース毎の4角位置を頭数で割って展開ポイントを計算し、3走分の展開ポイントを平均する

というのは、各レース毎に計算するのではなく、

3回分の4角位置を合計して、3回分の頭数を合計したもので割る

ことで得られる数値=平均値を採用しています。

これは、小数点以下3位を切り捨てる関係で、

0・0099×3=0・0297となり、

合計が1・12の場合、3で割れば0・37ですが、

合計が1・10だと、3で割れば0・36となり、0・01の誤差が出てしまうからです。

それ程の大きな誤差ではありませんが、3分割・4分割したときに、0・25或いは0・33に、入るか入らないかの、ぎりぎりラインの馬がいるときに、大きな数の方を用いる方がいいと判断したからです。

例えば4分割で、

0・25までを『逃げ』0・50までを『先行』
0・75までを『差し』
0・76以上を『追込』

とした時に、0・51は『差し』と定義し、0・26は『先行』と位置付けます。

このような微妙なラインにいる馬は、どちらかの脚質、或いは絶対にこの4角位置、と決め付けるのではなく、この辺りの馬、とアバウトに考えていた方がいいのではないかと思います。

また、『追込』の範囲の馬でも『差し』の後方と考えた方がいい場合もあります。

CANIさんも書いておられましたが、

逃げ・先行・差し・追込を定義付けるのは難しく

上記のような『差し』と『追込』の区分・区別さえ、はっきりとこの馬の脚質、この馬の持ち味と決め付けるのは不可能です。

それならいっそのこと、新しく自分で設定すれば良いのだと考えて、このような方法を考えました。

過去10戦・20戦を経験した馬なら、全てのレースでの4角位置取りをポイント化して、平均値を求めておけば、予想の誤差も少なくなると思います。

勿論、この『展開ポイント』だけで完璧とは思っていませんが、ある程度の判断基準にはなると思います。

次回は、4角位置から着順を予想する方法を計算していきます。

なお、上がりタイムはレースの序盤・中盤のペース、所謂ラップを考えなければ、いくら前走上がり最速といっても、確実に連に絡むという保証はありません。

ペース予想が出来なければ、この『展開ポイント』は、ただの4角位置取り予想でしかありません。しかも、予想ですから、確実にこの馬が4角でこの位置にいる、とは言い切れません。

ただ、全部の馬が4角では大体この辺りにいるだろう、という予測ができれば、多少なりとも馬券予想の役に立つのではないかと思います。

逃げ馬の数や、レースのグレード、馬場状態、天候によってもペースは変わりますし、

スローペース・ミドルペース・ハイペース

といった区分だけでは説明出来ないレースもあります。

次回、4角位置取りからの着順予想、の次くらいまでには、ペースとラップについて考えておきます。

追伸

最近の長期休養明け馬

毎日杯・リルダバル
6ケ月→3着

日経賞・ロジユニバース
9・5ケ月→6着

ダービー卿・タケミカヅチ
10・5ケ月→6着

休養期間は1ケ月単位で、14日までは0・5に入れてません。15日以上を0・5ケ月としています。

現在、上記のような月単位にするか、週単位にするか、まだ決めてません。

6ケ月以内の短期休養明けについても、データをとるのが大変なので、やめました。

多分、消せる馬を探すには、この短期休養明けを調べるのが、一番手っ取り早いのかも知れません。

、『展開ポイント』を計算していて、一つ発見がありました。

前3走の4角での位置取りを平均した『展開ポイント』を、更に過去5戦・10戦と遡って計算し直すと、本来の位置取り、かどうか解りませんが、平均的な位置取りが、前3走とはかなり違っていました。

前3走が正しくない、というのではなく、本来は真ん中辺りの位置に付けている馬が、近3走に限っては、かなり後ろだったりする事がありました。

阪神牝馬Sのアイアムカミノマゴは、前3走平均が0・88であるのに対して、前10走の平均値は0・49でした。

また、カノヤザクラは前3走は0・63でしたが、前10走の平均値は0・47でした。

桜花賞のアパパネは前3走が0・43でしたが、前5走の平均値は0・31、オウケンサクラの前3走は0・36でしたが、前6走は0・37。

阪神牝馬Sのカノヤザクラは0・26〜0・50の間ですから、私の分類では『先行』、アイアムカミノマゴも0・46ですから『先行』となります。

私の分類に従えば、阪神牝馬Sの過去10年の3着までの入賞馬は

逃げ・13頭
先行・14頭
差し・2頭
追込・1頭

でした。

桜花賞のアパパネもオウケンサクラも私の分類では前3走も前5走・前6走も『先行』の位置で、過去10年の桜花賞入賞馬のデータは、

逃げ・11頭
先行・7頭
差し・8頭
追込・4頭

となっています。

つまり、桜花賞では、3着のエーシンリターンズも含めて、過去も前3走も4角の位置取りに変化はなく、阪神牝馬Sでは、3着のカノヤザクラ、1着のアイアムカミノマゴばかりか、2着プロビナージュさえ、前3走は0・27で『先行』の位置でしたが、前10走では、0・16、つまり『逃げ』の位置でした。

桜花賞で入賞するような馬は、4角での位置取りに大きな変化はなく、阪神牝馬Sにでてきた馬の多くは、前3走では本来の位置取りが出来ていなかった、と考えると、やはりG1クラスでは、成績が安定している馬ほど脚質は安定していて、オープンクラスでは伸び悩んでいる馬や、決め手に欠ける馬だから、脚質も安定しないのかな、と思います。

結論はまだ出せませんが、レース数が多い馬は、少なくとも前3走以上のデータがあれば、その馬を正しく評価する事も可能になると思いますし、重賞レースであれば、過去のデータを分析することによって、そのレースに合った脚質の馬を探す為の手掛かりになるのではと考えています。

阪神牝馬Sの結果だけで判断することは避けますが、馬本来の位置取りが平均値として『展開ポイント』という数値で理解出来るようになれば、当然、自信をもって買える馬、確実に消せる馬が見えてくるかも知れません。


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